ピアニストとして、今、私のいる場所

アーティストインタビュー
高木里代子さん(ジャズピアニスト)

今、ここがスタートライン

── ミュージシャンの方はどなたもそうだと思うのですが、発表したアルバムはその時のアーティストの想いを示すもの。だから『Celebrity Standards』、『Jewelry Box』という2枚のアルバムは、高木里代子というピアニストの現在地点を示すものになりますね。

そうですね。これまでの活動、すべてがジャズという軸を持ってやってきたことだし、他のジャンルの音楽を融合して進化していく、それができるのもジャズだからですよね。ただオーセンティックなジャズアルバムを出したい、ずっとそう思って活動してきたなかで、今回それを出せた。ジャズに真正面から向き合ったという意味では、今、ようやくスタート地点に立てた、という思いはあります。

 

── さて、最後に楽器としてのピアノについてちょっとお話を聞かせてください。高木さん自身、いろんな場所で、いろんなピアノに出会っていますよね。

そうですね、非常に感動的な出会いもあれば、どうしようこれって時も(笑)。ピアニストは現場のピアノに合わせるスキルも求められます。

ピアノソロ、トリオでのライブを中心にさまざまなピアノとの出会いが

 ── 高木さん自身はどんなピアノに魅かれますか?

ピアニストが表現するのは、最後はピアノ自身が出す最高に美しい音色だと思っていて、なかでも私は中高音が輝くような、キラキラした音色が好きで、調律などで要望を出す際は、そうしたことを伝えることが多いですね。

 

── そうした多くのピアノに向き合ってきた高木さんにとって、ヤマハのピアノというのはどんな存在なんでしょうか。

ここまで話してきたように、私はヤマハに育てられてきました。幼い頃の教室でのレッスン、家での練習も全部ヤマハのピアノなんですね。その点では私のスタンダード、ホームっていう感じ。もう肌に馴染んでいる感覚で、こう弾けばこういう音を出してくれる、というように。

幼い頃、姉妹で実家のピアノを弾く様子。このヤマハのアップライトピアノは今も現役だという

── 今回、取材に際してヤマハのリニューアルピアノを弾いていただきましたが、いかがだったでしょう?

まさに私の慣れ親しんだヤマハのピアノですね。安心して弾ける。実はこれまでリニューアルピアノという存在を知らなかったんですが、家族の歴史の1ページでもあるピアノをつないでいくってことは、本当に大切な取り組みですよね。私自身、実家には小学校の時に買ってもらったヤマハのアップライトピアノがありますが、簡単に処分=廃棄みたいなことはできないですね、思い入れがある分。たとえば子どもができたら受け継いでもらうとか、仮に手放すにしても、やはりピアノを愛してくれる人のもとで大切にされてほしいですから。

こういう取り組みのベースにあるのは、元々のしっかりしたピアノづくり、があってこそなんでしょうね。先ほど言ったように実家のアップライトピアノは幼い頃から慣れ親しんだものですが、今も現役です。前に調律をお願いしている方から「調律だけではなく、きちんと整備すれば、このピアノはもっとすごい音を出せますよ」って言われたことがあるんですけれど、やっぱりちゃんとつくられたピアノは違うってことですよね。

 

── ぜひそのご実家のピアノ、一度取材を兼ねてリニューアルプラン*で預からなくちゃいけませんね(笑)。

よ!よろしくお願いします!!(笑)。

 

── 今回は長い時間ありがとうございました。お話をお聞きして、何度も申し上げて恐縮なんですが、本当に意外な経歴でした。

私もここまで話したことないかも。ちょっと話し過ぎちゃったかな(笑)。

*ヤマハピアノサービス・リニューアルプラン
ヤマハ<リニューアルピアノ®︎>の修復、再生技術を用いて、お客様からお預かりしたピアノの内外装のクリーニングのほか、弦などの金属部品の錆の除去、鍵盤の微妙な高さ調整、整調、整音、調律までを行うサービス
詳しくはこちら

Riyoko Takagi Trio STUDIO LIVE
on YouTube!! 

Supported by YAMAHA RENEWAL PIANO®︎

高木里代子初のYouTube生配信ライブを開催しました

高木里代子ニューアルバムのレコーディングメンバーによるトリオ!!
高木里代子(p)/勝矢匠(b)/山内陽一朗(dr)
 

高木里代子
ジャズピアニスト
4歳からピアノを始め、慶應大学在学中から演奏活動を開始。2014年、ダイナースクラブ動画コンペで、人気投票一位を獲得しブルーノート出演。国際的コンペ「6 string theory」でピアノ部門世界第4位、モントルージャズフェスティバルジャパンコンペセミファイナル進出。2015年「東京JAZZ」出演時のパフォーマンスが話題となり各スポーツ紙等で取り上げられる。2016年エイベックスより「THE DEBUT!」リリースでメジャーデビュー。2017年JAZZ JAPAN AWARDニュースター部門賞受賞。2021年11月、初のピアノトリオでのジャズアルバム「Celebrity Standards」を発売。Amazonジャズ・フュージョンチャート1位、タワーレコードJAZZデイリーセールスランキング1位、ディスクユニオンJAZZ TOKYOウィークリーセールス1位をそれぞれ記録。2022年1月にはピアノトリオアルバム第二弾「Jewely Box」を発売。TBSの朝の情報番組THE TIME月曜日にレギュラー出演するなど、各メディアでも活躍中。YouTubeチャンネル登録者数約12万人と、ジャズ・ミュージシャンとして圧倒的なフォロワー数を誇る。

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