いつだって
私のそばにはピアノが

アーティストインタビュー
宇徳敬子さん(シンガーソングライター)

 

いつだって私のそばにはピアノが

アーティストインタビュー
宇徳敬子さん(シンガーソングライター)

B.B.クィーンズ、Mi-Ke、そしてソロシンガーとして今も積極的なライブ活動をされている宇徳敬子さん。「音楽的原点はピアノで、その後も常にピアノに導かれてきた気がする」という宇徳さんに、音楽生活、楽器への思い、そしてヤマハリニューアルピアノ®︎についてお聞きしました。

幼稚園の音楽教室が私の原点

 

── インタビューを始めるにあたって、まず宇徳さんの音楽的な原点からお聞きしたいのですが。

両親ともに音楽がとても好きで、いつもジャズだったり、流行歌だったり、常に音楽が流れている家でした。そんな環境で育った私は物心ついた時から、耳で捉える音をコピーして声で表現する、流れていた曲を自然に声に出して歌っていた子どもだったようです。
 
まだ幼稚園に入る前のある日、新聞に楽器(主にピアノ)の広告が入っていて「私、これ(ピアノの写真を見て)弾きたい!だって私これ(ピアノ)が好きなんだも~ん」と言ったらしいんです(笑)。子どもながらに直感的に「弾きたい!」って思ったんでしょうね。その後、通うことになった幼稚園に毎週土曜日、ラッキーなことにヤマハの音楽教室が開講したんです。
 
後に母に聞いたのですが、通うにあたり当時両親は共働きだから送り迎えができない。それで私に「ひとりでいける?」「途中で辞めたりしない?」って確認したら私が「絶対辞めないっ!」と強い意志表示をしたらしく・・・。
 
通園は送迎バスだったのですが、土曜日はお休みという事もあり、音楽教室へ行くにはバスがない。幼稚園までは大きな橋を渡らないと行けなくて、子どもが通うには結構遠かったんですが、補助輪付きの自転車に乗って通ってました(笑)。
 

──「行きたくない」なんてことを言い出すこともなく?

毎週土曜日なので、もちろん行きたくない時もあって、お友達と遊んでいたら母にすぐ見つかり(敬子~ヤマハに行きなさ~い!)と怒られた事もありましたが(笑)、音楽に思う存分触れられる環境は楽しかったですね。先生もすごく優しかったですし、何にも分かってない子どもに、音楽理論の基礎になることを楽しく教えてくれました。「じゃあこの譜面を見て歌える人」と、先生が投げかけると「はいっ、はいっ!」って手を挙げて、率先して歌っていました。いわゆるコールユーブンゲンですね。
 
今、振り返ってみると、幼い頃のこの経験はすごく貴重だったと思います。子どもだから理詰めで覚えるというより感覚的に覚えていく感じで、スポンジのように吸収していく。後に音楽を仕事にしていくことになるわけですが、たとえばコーラス録りをする際に、初見で譜面を見て、ハーモニーのアレンジを考える時、音楽の基礎がすごく力になりました。もちろんプロになってから基礎を応用出来たことも大きかったと思います。理屈というより身体が覚えているモノのような気がしていて、メロディにパッと反応できる能力とか、すごくベーシックな部分を支えてくれている気がします。

 
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