地球には
ピアノがあるじゃないか!

アーティストインタビュー
ダンス☆マン シンガー、ベーシスト、作詞・作曲・編曲家

 

地球にはピアノがあるじゃないか!

アーティストインタビュー
ダンス☆マン シンガー、ベーシスト、作詞・作曲・編曲家

ソウル、ファンクの名曲に日本語詞を乗せて歌い、モーニング娘。<LOVEマシーン>をはじめ、数々のヒットチューンも手がけるダンス☆マン。ミラーボール星からやってきた彼の音楽的ルーツには、実はピアノがあったのだとか。

ピアノは諦めちゃいけない

── 今回のインタビューはダンス☆マンに登場していただきます。

70億人の地球人の皆さんこんにちはダンス☆マンです。ミャオ〜ン。Hi! I’m DANCE☆MAN from Planet Mirror ball。

 

── ありがとうございます!ダンス☆マンといえばご自身のパフォーマンスはもちろん、平成の大ヒット曲、モーニング娘。の<LOVEマシーン>をはじめ、数々の名曲を手掛けたアレンジャーとしても知られています。今日はその名曲の裏側からダンス☆マンの音楽的ルーツなども聞けるということで興味津々です。

どうぞどうぞ何でも聞いてください。

 

── ではまず、ど直球の質問から。ダンス☆マンとは何者なんでしょう?

ミラーボール星から地球にやってきた異星人です。ソウルミュージック、ファンク、ディスコといった音楽の素晴らしさを伝えるために地球上で活動しています。長らくその本当の姿を隠し、地球人として音楽活動をしていたんですが、1997年にカミングアウトして六本木の今はなきヴェルファーレでダンス☆マンとして初めてライブを開催。翌1998年にカール・カールトンの名曲<She’s a Bad Mama Jama>をカヴァーした<背の高いやつはジャマ>でエイベックスからCDデビューしました。

── ダンス☆マンといえばソウル、ファンク。リズムを強調したトランスするようなグルーヴのイメージが強いんですけれど、そもそもの音楽的ルーツはどんなものだったのですか。

その話をするには、まず次元といいますか、宇宙の時間軸っていうものを理解してもらわなくちゃいけないんですが、それ話すと多分このインタビュー終わらないので、あえて分かりやすく地球の時間軸で話しますね。

 

── はい、では以下地球時間に置き換えてということで(笑)。

実は私は地球の時間でいうところの幼少期にソ連、今のロシアに住んでいたんです。

 

── いわゆる帰国子女なんですね。

地球的な言葉でいうとそうなりますね。住んでいたのはモスクワにあるウクライナ・ホテルで、そこには各部屋にピアノが据え付けてあったんです。で、隣人がピアノを弾いているのを見ようみまねで幼い私が弾いているのを見て、家族は「そんなに好きなら、ピアノを習わせよう」と思ったらしく、まずモスクワでピアノを習い始めました。その後、日本に帰国してからヤマハのアップライトピアノを買ってもらい、先生が家に来たり、教室に通ったりとピアノのレッスンを続けていたんです。

── いわゆるクラシックピアノですか?

そうですね。バイエルから始める王道ともいえるピアノレッスンです。うろ覚えなんですけれど、自分自身、あまりこのレッスンを楽しいと思った記憶がなくて、周囲の大人に聞くと「譜面を見ながら弾く時は、いつもつまらなそうに弾いていた」って言うんですね。見かねた先生が、最後には私のリクエストする曲を弾いて、それを真似て弾くっていうことばかりやってたらしいです。

 

ピアノ教室って定期的に発表会があるじゃないですか、それが嫌で。男子はたしか私一人で、周りは女の子ばかり。女子はすごい嬉しそうなんですよ、綺麗なドレス着て、ちょっとお化粧なんかしてもらって舞台に立つ発表会が。でもそこに混じって蝶ネクタイ姿とかでポツンと一人でいるのが辛くて(笑)。学校終わって放課後に「遊ぼう」って誘われても、自分はレッスンに行かなくちゃいけないから、同級生が校庭で遊んでる中を一人下校する。それも寂しかった。だから小学校4年生の時に「もう行きたくない」って辞めちゃったんです。

 

その時はまさかその後、自分が音楽の仕事するなんて思ってなかったですからね。今、思い返すと、なんてもったいないことしたんだ、辞めなけりゃ良かったって強く思います。せめて高校生くらいまでやってたら、どんだけピアノ上手くなってたんだろうかって。

 

後に自分で作曲するためにピアノやシンセサイザーを弾くことになるじゃないですか、すると最初は右手では弾けても左手が全然ダメ。少しづつリハビリのように弾いていくうちに、なんとかリズムを切ったりするようなこともできるようになって、作曲、アレンジには不自由のないプレイはできるようになったけれど、ステージでお金を取れるレベルまではなかなか難しい。

 

── そうするとダンス☆マンから地球人へのメッセージの一つは「ピアノは辞めるな!」でしょうか(笑)。

そうですね。頑張って続けると楽しいピアノライフが待っているんじゃないかって思うんで、もし同じように思っている子がいたら「頑張れ男子!」って言うかな。
 
それと昔ピアノやっていて、今は遠ざかってる人には「試しにもう一回ピアノを弾いてみたら?」って言いたいですね。自転車なんかと同じで、意外と指は覚えていますから。もちろん私と同じように最初はリズムがうまく取れないとかあるかもしれないけれど、弾いていけばいくほど感覚は戻ってきます。そうなると楽しさしかないですから。

 
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